5/1のFOMCで「追加利上げの可能性は低い」としたパウエルFRB議長の会見を裏付ける結果となった5/3の米4月雇用統計にもかかわらず、複数のFRB高官からは利下げに慎重な見解が繰り返し述べられています。こうした中、5/14にパウエルFRB議長の講演、5/15には米4月消費者物価指数が発表されるだけに6月FOMCのインフレ及び政策金利見通しが3月時点から修正されるかを占う観点から注目されます。足もとでは米労働市場の逼迫が緩和的になりつつあるだけに、4月雇用統計の鈍化への評価が一時的と捉えられるのか議長の発言が注目されるほか、CPI では家賃を中心にサービス価格の高止まりが継続しているかを焦点に、有力視されている9月利下げ開始観測を一蹴する結果となるか注目されます。これらのイベントを受けて4/29の高値(160円17銭)と5/3の安値(151円86銭)の50%水準に当たる156円02銭を上抜けるか、あるいは155円割れへ下落するか注目されます。
5/10に公表された4月ECB理事会議事要旨では「インフレ率は来年に目標とする2%に低下する」との見通しが示されたことから6月利下げ開始を織り込む中、焦点はECBの利下げ回数が年2回、もしくは3回か先行きが注目されます。さらに、FRBの年内利下げ開始の有無と利下げ開始の場合の年内利下げ回数の行方がユーロドルの方向性を占う上で重要視されるため、5/14のパウエルFRB議長の講演や5/15発表の米4月消費者物価指数の結果と反応が注目されます。こうした中、ユーロドルは先週から上値抵抗として意識される200日移動平均に絡む1.0790ドル台を明確に上抜け、5/3の米雇用統計発表直後の1.0811ドルを上回るかを目先の上値メドとする一方、5/9の安値(1.0724ドル)を下抜け、1.0700ドル割れまで下落するか注目されます。また、ユーロ円は4/29の高値(171円56銭)と5/3の安値(164円02銭)のフィボナッチ38.2%水準に当たる168円68銭へと一段高となるか、パウエル議長の講演や米4月消費者物価指数を受けたドル円の反応と合わせて注目されます。